現役看護師が教えるストレスフリーな介護術

辛い介護の日々をもっと楽にしていきましょう!

緊急時の対応

突然ですが、

 

高齢者の方は

急に体調を崩し、

最悪、が絶たれてしまいます。

 

急変した時

発見者がパニック状態になってしまい、

対応が遅れてしまうケースがあります。


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対応が遅れることで

救える命も救えなくなってしまうのです。

 

 

「こんな時どすればいいの!?」

「え!何をしたらいいの?」

そんの悩んでる時間が命取りです!

 

 

そんな時に今からお伝えすることを

知っているだけで、

対応が早くなり

命を救うことができます。

 

在宅介護では

救急車を呼ぶべきか、

様子をみても大丈夫なのか、

その判断をするのは同居している

家族が判断しなければなりません!

 

 

高齢者の日常生活で多いのは

発熱転倒による骨折

さらには突然の心肺停止です!

 

それぞれの対応策をお伝えします!

 

 

ステップ1

熱が出たとき


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高齢者は自分での体温調節が苦手です。

自分が暑いのか、寒いのかも

判断ができなくなってしまいます。

 

発熱には種類がいくつもあり、

大きく2つの要因があります。

 

1.環境による発熱

高齢者の方は、汗をかきにくくなります

汗は身体の熱を冷ます働きがあるのですが、

その機能が働かない状態です。

  

室温が高い部屋に居ると

すぐに熱中症になる可能性があります。

 

 

2.感染症による発熱

感染症による発熱では、

すでに重症化している場合があるため、

速やかに対策が必要になります。 

 

高齢者がかかりやすい感染症

・肺炎

・尿路感染症、膀胱炎

・胆嚢炎

・風邪やインフルエンザなど

 

 

発熱した時の対応策

 

   体温を下げること!

 

・クーラーなど空調を調整して室温を下げる

氷嚢(ひょうのう)やアイスノンを使用

 氷嚢は首の後ろや脇の下、股のつけ根を

 冷やすのが効果的

解熱剤を使用する

 

※市販の解熱剤はオススメしません!

  副作用が強く表れる可能性あり!

  かかりつけ医から処方されているものを

  使用しましょう。

 

熱以外にも症状がないか

確認が必要です。

食欲の有無、吐き気や腹痛など

普段とは違う症状がないか確認を!

 

熱以外の症状と

1週間以上続く微熱(37℃以上)があれば、

かかりつけ医に相談した方がいいでしょう。

 

発熱と

吐いたり、腹痛が強ければ

すぐに受診してください!

 

ステップ2

転倒したとき

   高齢者の方は転倒しやすい!


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急性期病院では

転倒してしまった高齢者の方が

救急車で運ばれてくるのは

よくある光景です。

 

そのぐらい

在宅では高齢者は転びやすいのです。

そして…

骨折頭のダメージへのリスクが

非常に高いです。

 

なぜ転倒しやすいのか?

それは想像通り

老化に伴う様々な衰えです。

 

高齢者になると

判断力が低下したり、

聴力視力、身体の筋力などが低下します。

 

家の中のちょっとした段差でも

驚異になり得ます。

 

 

転倒の恐怖

     転倒の何が怖いのか?

 

もちろん骨折です!

年齢を重ねるごとに骨は脆くなります。

軽く転けただけで、

骨が折れてることがあります。

 

 

転倒したときに

手足の痛みがあれば、その部位が

骨折している可能性があります。

 

しかし、

背中の骨(腰椎)の場合は

痛みが出ない場合もあるので

注意が必要です。

 

肋骨も脆くて折れやすい骨で、

痛みがない時もあります。

しかし、放置していると

内蔵にダメージを負う可能性があります。

 

転倒して頭を打った時は、

硬膜外血腫といって

数日後に意識障害

起こす場合もあります。

 

そして最も怖いのは…

 

骨折をしてしまうと、

手術やリハビリをしても

完璧に元通りにならないことです!

 

自分で出来ていたことが

出来なくなること。

日常生活動作

下がってしまうことです。

 

 
      転倒の対策

転倒した時より、

まずは【転倒させない】を考えましょう

 

1.生活環境を整える

 

・自宅をバリアフリーにする

 スロープなどを設置し、

 玄関などの段差を無くすこと

 

・必要に応じて福祉用具の設置する

 玄関や階段などに手すりを設置

 

・敷きマットに滑り止めをする

 マットが滑って転ける可能性

 もあります。

 

 

2.筋力トレーニングや体操をする

日常的に下半身の筋肉を鍛えると

しっかりとした歩行が可能です。

 

また、

介護体操を行うことでも

安定した歩行が可能となります。

転倒・腰痛予防!「いきいき健康体操」 - YouTube

 

3.骨を鍛える

骨自体を強くすることで

骨折を防ぐことも可能です。

 

骨を強くするために

適度な運動日光

カルシウムビタミンD

摂取が必要です。

 

カルシウム:骨を作る

ビタミンD:カルシウムの吸収を促す

 

日光を浴びると

カルシウムの吸収率が上がる。

体内でビタミンDが作られる。

ビタミンDは摂取だけでなく、

日光浴が必要です。

 

日光を浴びる時間は

夏:木陰で30分

冬:1時間

を目標にしてください。

 

  転倒した時の対応

どんなに転倒予防をしても

転倒を完全には防ぐことは

難しいでしょう。

 

もし転倒してしまった場合は?

 

・声掛けをして会話が可能か(意識有無)

・痛い部位の確認

・頭を打ったか確認

 

※すぐには動かさないようにしてください! 

 落ち着くまでそのままです。

 

痛みが無く、意識もしっかりしている、

頭を打っていなければ

様子を観てもいいでしょう。

 

転けたことは

かかりつけ医訪問看護

電話で報告してください。

 

強い痛みがある、自分で立てない

意識も朦朧している、頭にタンコブがある

などの症状があれば、

すぐにかかりつけ医へ電話して

指示を受けましょう!

 

 

ステップ3

突然の心停止

 

在宅介護を行う上で

病気や衰弱によって

心停止になっている場合に立ち会う可用性は

非常に高いです。

 

もしもの場面にであったら…

 

まずは

落ち着いてください!

焦れば焦るほど正しい判断が

できなくなります。

 

1.どういう状態か評価しましょう

 呼吸状態:呼吸をしているか

 意識状態:目を開けれるか、返事はあるか

 顔色や外見:顔色や脈はある

 

2.状態が把握できたら、

 病状を詳し知っている

 かかりつけ医に電話しましょう

 

※救急車を最初に呼んでしまうと…

延命治療を望んでいないのに

延命処置が行われる可能性があります。

 

3.延命を望む場合は

 心肺蘇生法を行いましょう!

 

車の運転免許を取るときなどに、

習った人も多いと思います

 

改めて復習しておきましょう!

心肺蘇生法の手順|日本医師会 救急蘇生法

 

 

最後に

在宅介護は

いつ何が起きるかわからりません。

もしもの時に備えておく必要があります。

緊急時の連絡先は必ず決めておきましょう。

 

また、本人と「尊厳死」、

「DNR(延命治療を望まない)」に

ついてしっかり話し合いましょう。