現役看護師が教えるストレスフリーな介護術

辛い介護の日々をもっと楽にしていきましょう!

その食事介助で大丈夫?

 

突然ですが

今の食事介助で大丈夫ですか??

 

 

食事を自分で食べれない方

高齢者や障害を持った方には

そのお手伝いをしなければなりません。

 

 

 

食事介助って

ただ食べさせてあげるだけだと

思っていませんか?

 

高齢者にとって食事は

命に危機に関わります!

 

注意すべきはムセ込みです。

人はムセ込むと肺を痛めてしまい、

肺炎を引き起こします。

 

 

また、口の中に食べ物が残っていると

細菌が発生します。

放っておくと、肺の中で炎症を起こし、

肺炎に発展してしまいます。

 

医療現場では多く見受けられ、

抗生物質を投与するなど

適切な治療を受けることで完治します。

 

しかし、70歳以上の死因では第4位

厚生労働省:死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

 

高齢者にとって

肺炎は天敵と言えるでしょう。

 

 

  • ムセ込みによる窒息

「食べ物を詰まらせて窒息死する」という

不慮の事故は年々増加しています。

 
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出典:平成21年度「不慮の事故死亡統計」の概況』(厚生労働省) 2018年11月19日更新

 

高齢者は飲み込む力が弱くなっているので

食べ物が喉に詰まりやすくなります。

 

医療現場では詰まらせた場合、

速やかに吸引器で吸引することで

対処しています。

 

自宅では専用機器などがないため、

対処方法を知らなければ

窒息死する確率は上がります。

 

食事が詰まり

呼吸が止まるまではあっという間です。

 

私の勤めている病院は

食事介助の際は十分注意するよう

指導を受けています。

 

高齢者の方は病院でも

窒息するリスクは非常に高く

そして、突然に起こり得ることなのです。

 

 

しっかり誤嚥を予防をしてトラブルを

未然に防いでいきましょう!

 

 

 

それではムセ込みを防ぐ方法とは?

 

 

 

ステップ1

ムセ込みを起こす原因を知る

 

  • 加齢による唾液の量が減少

唾液の減少により、

食べ物が喉を通りにくくなってしまう。

殺菌効果も減少してしまうため、

口腔内の細菌は増殖する。

 

 

  • 飲み込むための筋力が低下     

食べるとは、舌や様々な筋力を使って

飲み込みを行っている。

加齢により全体の筋力が低下する。

 

ムセ込んだ時には詰まった物を

吐き出す力も弱くなってしまう。

食べ物が喉で停滞することで

肺炎や窒息を引き起こしやすくなる。

 

 

  • 不安定な歯の状態

入れ歯が合わなかったり、歯が無ければ

食べ物を噛み砕くことができなくなる。

大きな食べ物を飲み込むのは

ムセ込みのリスクを高してしまう。

 

 

  • 口腔内の清潔が十分に保たれていない

口の中の食べカスから細菌が発生。

発生した菌が食道を通って

肺に侵入することで肺炎となる。

元々高齢者は免疫力も低いため

細菌に負けるリスクが高い状態である。

 

 

 

ステップ2

  ムセ込み予防のポイントを知る

 

 〈飲み込む力を鍛える

 ●首の周りの筋肉をほぐす

ゆっくり前後・左右に動かし、

首筋をしっかり伸ばすことを4、5回繰り返す


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口のトレーニン

頬をふくらませたり、

へこませたりを繰り返す。

舌を思い切り前に出したり

引っ込めたりを行う。

 

早口言葉や歌を歌うなど

声を出すこと

大笑いすることでもOK!

 

基本は「無理はしないこと」です。

簡単でいいので毎日行うことを目標にし、

継続することが大切です。

 

 

 〈食後すぐに寝ないこと〉

「食べてすぐ寝ると太る」から…

 ではないですよ(笑)

 

本当は横になることで、

胃の中に入ってる食べた物が

逆流するからです!

 

食べ物が逆流すると吐き気嘔吐

してしまいます。

食べた物が次は食道ではなく、

気管に入ってしまうことがあるのです。

 

その結果、

肺炎の発生や

気管に逆流した食べ物が

詰まり窒息する危険もあります。

 

絶対に

食後10~20分

横にならないようにしましょう。

 

 

 〈食事に集中する〉

テレビやおしゃべりをしながら

食事をすると気が散り、

ムセ込む確率は高くなります。

 

しっかり食事に集中できるように

環境を整えてあげましょう。

 

例:テレビを切る

テーブルに食事に関係ない物は置かない

会話はタイミングを見ながら行う

 

〈よく噛んで食べる・ゆっくり食べる〉

しっかり食べ物を噛み砕いて食べましょう。食べ物が大きいままだと、

喉に詰まらす原因にもなります。

また、早食いもダメです。

ゆっくり噛んで食べるようにしましょう。

 

 

ステップ3

 食べる姿勢を整える

 

安全な食事をする上で重要視したいのが

食べる時の姿勢です。

 

〜椅子に座って食事を摂れる方〜

椅子に座ることができる方は

なるべく椅子に座って食事をしましょう。

ベッドから離れることは

寝たきり予防にもなります。

 

・椅子とテーブルの高さを合わせる

 (テーブルに手を置いた時に肘が90°に曲がる程度が良い)

・椅子に座った時、

 両足がちゃんと床につくことを確認する

・やや前傾姿勢になる

 (アゴを引くとムセ込みにくくなります)


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〜ベッドで食事する場合〜

座ることができなければ、

ベッドで食事をされる方もいると思います。

 その様な方は

 

 ・背もたれを30°以上にしましょう

  できれば60°ぐらいがGoodです!

 

・背中だけではなく、クッションなどを

膝の下に入れて足も少し挙げましょう。

(ベッドからずり下がってしまうため)

 

・頭は枕を入れ、前傾になるようにする。

 

片麻痺や座位保持が難しい場合は

左右にも体がズレてしまういます。

その場合はクッションを使って

肘置きにすれば、安定しやすくなります。


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ステップ3

食事介助の注意点を知る

 

自分で食事が食べれない場合

介助者する側にも注意することがあります。

 

 〜食事前

ムサ込みしやすい食べ物を把握すること

事前にムセ込みやすい食べ物を

知っておくといいでしょ。

 

 サラサラした物:お水、お茶

 パサパサした物:パン、焼芋、ゆで卵

 口の中にくっつく物:ワカメ、のり、餅

                  など

ムセ込みにくい食べ物

ゼリー状・プリン・豆腐状など

 

食事の内容に工夫をしてあげましょう。

市販でも買うことができる

トロミ剤が便利です。

 

食事中

 

        介助方法

 

・食事開始前に水分を摂ってもらう

 口の中が渇いていると、

 飲み込みがしにくくなるからです。

 

・立って介助しない

 立ちながら食事介助行うと、

 圧迫感を与えてしまいます。

 

 高い所から食事を口に運ぶと

 相手のアゴが上がりやすくなり、

 気管には入りやすくなります。

 

 正面に座ることも圧迫感を

 与えてしまうので

 横に座り、寄り添うイメージで

 介助しましょう。

 

・飲み込んだことを確認してから

 次の食事を口に運ぶ。

 

 食事介助で難しいのはスピードです。

 個人差があり、相手の食べる速さが

 どの程度が把握しましょう。

 

 口の中にまだ食べ物が残っているのに

 口を開けて食べようとする方もいるので、

 「ゴックン」したか確認しましょう。

 

リスの様に頬いっぱいな状態になると

ムセ込むリスクは高まります。


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食事後〜 

食事が終わればしっかり

口腔ケアを行い清潔にしましょう。

 

口の中に食べカスが残っていると

虫歯だけではなく、細菌が増殖し

肺炎の原因にもなります。

 

ステップ4

誤嚥・窒息した時の対応方法を知る

 

どんなにムセ込み予防をしても

完全に0%にすることは不可能です。

もしもの時のために

対処方法を頭に入れておきましょう。

 

1)窒息のサインを確認する

・声がない

・弱い咳

・増悪する息苦しさ

・チアノーゼ(唇が紫色になる)

 

2)ムセ込みが軽度の場合

咳は体が気管に入った食べ物を

吐き出そうとする現象です。

強く咳き込んでいる場合は

そのまま異物が吐き出されることがあります。

 

3)食べ物を吐き出させる

咳き込みで排出されない場合は

緊急処置が必要になります。

 

背部叩打法

前傾姿勢にし、

背中を手のひらで左右の肩甲骨中央を

何度も叩く方法。


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腹部突き上げ法(ハイムリック法)

後ろに回り、ウエスト付近に手を回す。

一方の手で握りこぶしを作り、

へその上方で、みぞおちより下に回す。

すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げる。

 

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※腹部突き上げ法を実施した場合は、

内蔵にダメージを与えるので、

かかりつけ医に診察を依頼しましょう。

 

 

長くなりましたが、以上のように

食事することは命の危険に関わってきます。しかし、食事を楽しみにしている

高齢者の方は沢山いらっしゃいます。

 

食事は楽しく、安全に行いましょう!

 

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